歯ぎしり・食いしばり

    歯ぎしり・食いしばり

    睡眠中、本人が知らずにする歯ぎしり(食いしばり)は、だれにも見られます。
    ただ、ひどい場合は、歯や歯周組織の損傷ばかりか、全身にも悪影響を及ぼしますので、半年以内に2度以上、一緒に寝ている同室の人に歯ぎしりを指摘されたり、朝起きた時にあごのこわばりや疲労を感じる人は注意が必要です。

    「歯ぎしり」とは?

    歯ぎしり

    歯ぎしりは、口腔(こうくう)異常習癖の一種で、上の歯と下の歯を擦り合わせてギリギリと音を立てるケースはよく知られていますが、そのほかに「クレチング」といって、ほとんど音を発生させずにぐっとかむ「かみしめ」や、歯と歯を触れ合わせてがたがたさせる「タッピング」も含まれます。こうした動作は、健康な人でも睡眠中に行っているという報告があります。

    一般的に、普通の人でも8時間の睡眠中に15分ほど歯ぎしりをして、歯ぎしりをする癖のある人たちは、平均40分にわたって行っており、中には1時間45分に及ぶ人もいて驚くほど歯にダメージをあたえています。

    歯ぎしりの程度を筋電図で見ると、ガムを強くかんだときの数倍から10数倍に相当するケースが、約80%を占め、こうした力が継続的に加わると、歯が擦り減ったり、歯周組織が損傷したりするのはもちろん、さまざまな症状を引き起こします。

     

    歯ぎしり・食いしばりによって引き起こされる悪影響

    知覚過敏症

    歯ぎしり

    歯ぎしり・食いしばりによって引き起こされる悪影響の代表例が知覚過敏症(虫歯になっていない歯が、冷たい水や甘いものなどを口に含んだ時、歯ブラシでふれた時に痛みとして感じる症状)です。

    睡眠中、無意識による夜間の歯ぎしりやくいしばりは、通常起きている時に食事するときの数倍、時には数十倍のもの力でこすり合わせるので、歯の表面が著しく磨耗したり、ヒビがはいったり、時にはかけることもあります。

    また、歯の付け根の部分がえぐれた状態(楔状欠損)になることもあり、そういう状態になると、虫歯になっていない歯でも、歯のなかには毛細血管や知覚神経が無数に存在しているため、これらが、歯ぎしりによって過度の刺激を受けると血管は充血し神経は敏感になり、ちょっとした刺激で痛みを伴い、知覚過敏となってしまいます。

    当院では、楔状欠損が進んで、食事の時、硬いものを咬んだ途端、『バッキ』と音がして、歯が水平に折れ、歯の根(歯根)だけ残ったケースがありました。

    知覚過敏の治療は軽度のものであれば、薬の塗布などの治療で治ります。
    中度になると、就寝中にマウスピースを装着することが必要です。
    前述のような歯牙破折例は、極めて稀ですが、重度になると歯の神経をとる処置が必要になりこともあります。

     

    睡眠障害・睡眠時無呼吸症候群

    歯ぎしり

    就寝時の歯ぎしりは、歯の周りの骨が異常に突出する外骨腫や、顎関節の雑音や痛み、耳鳴りといった局所的なものから、睡眠障害、さらには自律神経系にも影響してきます。
    その一例が、睡眠時無呼吸症候群との関連です。

    これは突然死の一因として問題視されている症状で、歯ぎしりの直後に睡眠時無呼吸症(sleep apnea syndrome;SAS)が頻発することを確認されています。

    このような場合は、耳鼻咽喉科医に相談して下さい。CPAP装置を使用したり、下顎を前進させた状態を固定し、気道の狭窄を防ぐためにスリープスプリント(マウスピース)の作成を歯科医に依頼することもあります。

     

    歯ぎしりの治療法

    歯ぎしりは、ストレスなどの情緒的因子と、歯の噛み合わせの悪さが大きな原因と考えられています。

    このため治療法は、
    • 上半身の運動訓練などによる理学療法
    • 普段、無意識に営まれている機能を意識的に抑えるよう訓練するバイオフィードバック療法
    • 筋弛緩剤などによる薬物療法
    • 10秒間歯を最大限にかみしめた後、5秒間力を抜くといった集中行為訓練療法
    • 上下の歯が接触しないように口の中にボクシングのマウスピースのようなものを入れるスプリント療法
    • 不適合な被せものの交換を含めた噛み合わせを調整する咬合治療療法

    などが行われています。

    さらに、パソコンのキーボード操作時、物事に集中しているときにも、くいしばりは見られますので、家庭では目につくところに「歯をかみしめたら、あごの力を抜いてリラックスする」などと書いたポストイット等(付箋メモ)を張っておくような自己暗示療法も大切です。

     

    お子さまの歯ぎしりにも注意しましょう

    歯ぎしり

    大人と同じように子供も歯ぎしりがみられます。
    子供の歯ぎしりの要因の一つには、成長反応の一種であるといわれています。子供の歯の成長のために、歯ぎしりは必要なことで、赤ちゃんや幼児などの小さい子供は、歯ぎしりによって上あごを鍛えているのです。

    赤ちゃんや幼児に限らずとも、10歳以下の子供の場合も、乳歯と永久歯の生え変わりの時期に、歯ぎしりをすることが多くみられ、やがてしなくなりますが、子供がある程度の年齢になっても、頻繁に歯ぎしりをするようだと大人と同様、ストレスやむし歯が要因であることも考えられるので、日頃の注意が必要です。

     

 

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